彼は、気がつくと私の首に手をかけていた。
何も言わない。私も彼も。ただ見つめあって、このおかしな状況の中にいた。
「殺すの?」
尋ねてみた。彼が首を縦に振った。
私は笑ってみた。
「そう」
「殺されても、いいの?」
彼が不思議そうな顔をした。
「殺したいなら、殺せばいい。別に私は何も言わない」
私が言うと、彼は黙った。
そして、彼は手に力を入れた。
息苦しさと、真っ白になった頭の中で、彼の言葉を聞いた。
バカみたい。最期の言葉が、愛してた、ですって。
みたいなシチュエーションが好きな私はただの変態。
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