わたしは話を書くのが好きなのだが、気付かぬうちに、繰り返し、繰り返し書いている話がある。
早朝。深夜。海。失踪。人に気付かれずに。
キーワードにすると、大方こんな感じだ。
繰り返しているということは、恐らくこれらはわたしの願望なわけで、だからつまるところ、わたしは人知れずに、いなくなりたいのだろう。
実際にそんなことは出来ないから、余計に繰り返して書いてしまう。
何度書いても、何度書いても、いっこうに満足ができないのは、わたしの中の願望が消えないからだ。
本当に、人知れずいなくなれたら、どれだけいいだろう。
しかし死ぬのはこわい。死なずに一日か二日だけいなくなってみる、というのもアリかもしれないけれども、それをしたら怒られるのはわたしだ。怒られるのは好きではないし、怒られてまでしようとは思えない。わたしは臆病ものなのだ。
でも、いつか踏ん切りがついたら、本当にやってしまうかもしれない。恐ろしい話だ。
そうやって他人事で捉えているうちは、まだ大丈夫だろうか。
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