時計が鳴った。
一度目、月の日。
望む。望んで、世に出てみる。
けれど世は汚すぎて。
純潔だけを求める私には、汚すぎて。
*
時計が鳴った。
二度目、火の日。
私は、このままでいいのだろうか。
私は、このままで大丈夫なのだろうか。
不安だった。
不安、不安、不安、不安。
不安という圧力で、壊れそうだった。
*
時計が鳴った。
三度目、水の日。
どうしてどうしてどうしてどうして。
理由理由理由理由?
わからないわからないわからないわからない。
ねぇねぇねぇねぇねぇ。
どうして、私はここに居るの?
*
時計が鳴った。
四度目、木の日。
貴方は誰?
あの人は誰?
この子は誰?
みんな、誰?
私は?
私は、誰?
*
時計が鳴った。
五度目、金の日。
運命は、残酷で。
運命は、変えられない。
変えられない?
違う、変えれる。
それだけの、意志があれば――。
*
時計が鳴った。
六度目、土の日。
そうだそうだそうだ。
忘れていた。
私は忘れていた。
大切なことを。
私は、変えられる。
*
時計が鳴った。
七度目、陽の日。
私は大切なことに気づいた。
瞬間、世界が色を変えた。
歪んだ世界が、見る見るうちに、正しい姿へ戻っていく。
ああ、もう、終りなのね。
*
月火水木金土日終焉。
世界は貴方の望みの色になる。
世界は私を残したまま。
世界は今、終りが来る。
*
weekend clock ~週末に鳴る終末の時計~
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